みそこちゃん

Photo by Canary
「3時から空いていますか?」弾んだ声で予約の電話があった。
みそこちゃんからだ、今日は調理士学校の卒業式だったそうだ、
「それでだ・・なるほど」
実技試験の前日に急性盲腸炎になり、手術そして入院、その後傷口が化膿して回復が大幅に遅れた。
そのことで、みそこちゃんはとても焦っていた。
「おめでとう!よく頑張ったね」 「ありがとうございます、先生のお陰です」
「そんなことないない、何回も何回も練習して、努力したもんね」
私はとても嬉しかった。
手作りギョーザをいっぱい貰ったこともあった、さすがプロのたまごが作っただけあって
食べても食べても飽きがこなく、幾つでもお腹に入った、優しい味でとても美味しかった、
あのみそこちゃんが作ったと思うと格別だった。

みそこちゃんが初めて治療院のドアを開けたのは、平成18年の6月、26歳の時だ。
一見して、心身ともに傷心した様子で、顔色は青白く精気がない、声もとても小さく呼吸が浅いようだ。
問診表の「症状がある部分に○をつけて下さい」の人体図は、足底まで殆どが○と斜線で囲まれていた。
「過去5年間病院に通院しましたか?」の欄では内科クリニックと整骨院と記されていた。
問診表からでも、すがるような思いで私の所を探し、来院した様子が窺われる。
「今日の症状」や、「今一番気になること」の欄では、腰痛からくる内臓の痛み・食欲減退・
うつ気味・肩こり・頭痛・生理痛・冷え性・腰痛と記していた。
問診してみると、過去3度の事故に遭遇している。
私はその時の衝撃の角度と、どの様な目的で行っている時に遭ったのか、その時の心理状況を尋ねた。
1、イライラしていて気持ちはどん底の状態 2、イライラしていてバイクで単独 3、友達と会えるので楽しい
三度の事故で頸部、腰部、右半身を強打している。
気力体力とも萎えるのは無理はない。
「時間は掛るかもしれない、私が健康を取り戻すお手伝いをするからね!
いっしょに頑張ろうね!」声に出さなかったが、治療を終えて帰るみそこちゃんの後姿にそう告げた。
この日から、“みそこちゃんと私 VS 過去のみそこちゃん”の奮闘記の
幕が切って落とされた。
- [2008/03/26 11:40]
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